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2017年04月11日

エイジングケア

人生最後の12年間、どんな人生を送りますか?

健康寿命

最近、「健康寿命」という言葉を良く耳にします。これは「平均寿命」とは別で、介護なしで生活できる期間をさします。皆さんご存知のように、日本人の平均寿命は世界のトップクラスです。しかし、人生の最後に介護を要する期間の平均は、男性で約9年、女性は約12.5年もあります。

それだけの長い期間、要介護状態になることは、本人やご家族にとって大変悲惨なことです。そこで、「健康寿命」を延ばすことが大切だというわけです。

 

軽い転倒だけで骨折し、要介護になってしまう女性

骨密度女性が要介護状態になってしまう原因の1つに、骨折が挙げられます。上図は、加齢による骨密度(骨の硬さ)の変化を示したものです。中高年では骨密度が低下し骨が脆くなり、そのため転んだ時に骨折しやすくなります。

特に閉経後の女性は、女性ホルモンが分泌されなくなる影響で、骨が急激に弱くなり、スリップやしりもちなどの軽い転倒でも骨が折れてしまうことがあります。私の知人もトイレの便座に座った時に骨折し、そこから要介護状態になりました。

骨の弱体化には自覚症状がなく、骨折して始めて気づくことになり兼ねませんが、それでは手遅れです。若いうちから毎日の食事に注意し、骨の強化に努めましょう。

 

カルシウムだけでは不十分。ビタミンDとビタミンKも。

骨の強化といえば、カルシウムが有名ですね。しかし、カルシウム単独では骨として形成されないことをご存知でしょうか。ビタミンD、ビタミンKも同時に摂取することが求められます。それぞれの栄養素を多く含む食材としては、カルシウムなら小魚や牛乳、ビタミンDは日光を浴びて育ったキノコ類、ビタミンKは抹茶などです。

私の場合は、常に毎回の食事に注意するのは大変なので、これらの栄養素を含む「ヘアドルーチェ」を毎日欠かさず摂っています。その結果、健康診断で測定した骨密度は、若年成人の平均骨密度とほぼ同じ値です。

結論です。健康寿命を伸ばすためには、やはり栄養バランスを考えた日常の食生活が大事です。不足分を補うサプリメントを活用しても良いでしょう。また、ちょっとした段差でも転ばない筋力やバランス感覚の維持するため、運動を継続することも必須のようです。

 

参考文献:『登山の運動生理学とトレーニング学』 東京新聞 山本正嘉 著

 


 

コラム筆者:元井益郎

薬学博士/薬剤師/NR(栄養情報担当者)/日本抗加齢医学会認定指導士。

東京薬科大学薬学部卒業。ジェーピーエス製薬株式会社入社・退社後、サンプライズ株式会社設立。東京大学や慶應義塾大学など、国内の著名な大学機関と抗加齢に関する共同研究を行っている。趣味は山登りとマラソン。70歳になるが、自称年齢は52歳。年間に4回ほどフルマラソンへ出場し、4時間以内に完走することもある。登山では世界7大陸の最高峰を制覇することを目標とし、既に4つ登頂成功。2017年はデナリ(マッキンリー)に挑戦する予定。トキメクような目標をモチベーションに、アンチエイジングを体現している。好きな言葉は、「過去は変えられないが、未来は変えられる」。

元井 益郎

薬学博士/社長

1分も走れないペンギン歩きから、世界7大陸最高峰を目指す70代に。

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