MENU

2018年01月18日

エイジングケア

幸せのメカニズム

GREEN_heart_TP_V (1)先日、日本抗加齢医学会の“Anti-Aging Medicine Update”と名を打ったセミナーに参加しました。アンチエイジングに関する世界の最新情報を得られるため、毎回欠かさず参加しています。今回は、その中でも特に興味深かった慶応義塾大学・前野隆司教授の「ごきげんな心の作り方~幸せのメカニズム~」について紹介いたします。

 

「幸せ」がサイエンスの対象となった

今まで、幸せ(心=精神)については、その度合いを知る指標化が非常に困難だったためサイエンスの対象外でありました。ところが近年主観的幸福の測り方が出来るようになり、この分野の研究が急速に進んでいます。例えば今まで漠然としていた「病は気から」については、そのメカニズムが北海道大学・村上正晃教授らのチームにより解明されています。(※1)

 

幸せに寄与する4つの因子

話を戻します。慶応大学の前野教授は、幸せには4つの心的因子が寄与しているとおっしゃいます。これらは、過去の幸福研究から「幸せ」に関連する項目を徹底的に洗い出し、それをアンケートにして日本人1,500人に回答してもらい、その結果をコンピュータにかけて解析した結果です。ただのポジティブ心理学とは異なります。

まず、第一因子は「やってみよう因子」。自己実現と成長の因子です。大きな目標を持っていて、そのために成長しようとしていることが幸せに寄与しているのだといいます。第二因子は、「ありがとう因子」。つながりと感謝の因子です。友達の数が多く、多様な人と付き合っている方が幸せだということです。第三因子は、「なんとかなる因子」。楽観的で前向きであることが、幸せのためになくてはなりません。第四因子は、「あなたらしく因子」。他人と自分を比較しないことや、自分をはっきり持っていることをあらわす因子です。

やってみよう!ありがとう!なんとかなる!あなたらしく!この4つが揃った人が幸せな人で、不幸せな人は4つの度合いが低いということになります。

チューリッヒ大学の研究では、幸せな人はそうでない人に比べて7.5年から10年長生きするとされています(Happy people live longer※2)。皆さんもぜひ、この「幸せのメカニズム」を理解・修得し、長寿になって頂きたいと思います。

長寿と言えば、過去に最も長生きしたフランス人女性のジャンヌ・カルマンさんをご存知でしょうか。122歳まで生きました。カルマンさんはなんと85歳からフェンシングを始め、「どうにもならないことでくよくよ悩まない!」が口癖だったといいます。前野教授の「幸せの4つの因子」で言えば、「なんとかなる!」という考え方をしていて、85歳からでも「やってみよう!」を実践していたわけです。

現代はとかくストレス社会です。ストレスは、髪や肌、アンチエイジングに大敵ですので、それを回避する為にも「ごきげんな心の作り方」を実践し、幸せを引き寄せましょう!

※1)eLIFE(電子版)2017.8.15 ※2)Science, 331,542-3, (2011) 参考文献:「幸せのメカニズム」講談社現代新書 前野隆司著

 


 

コラム筆者:元井益郎

薬学博士/薬剤師/NR・サプリメントアドバイザー/日本抗加齢医学会認定指導士。

東京薬科大学薬学部卒業。ジェーピーエス製薬株式会社入社・退社後、サンプライズ株式会社設立。東京大学や慶應義塾大学など、国内の著名な大学機関と抗加齢に関する共同研究を行い、研究結果をもとにサンプライズ製品の開発を行う。

趣味は山登りとマラソン。71歳になるが、自称年齢は53歳。2017年6月、デナリ(マッキンリー)に登頂成功。好きな言葉は、「過去は変えられないが、未来は変えられる」。

元井 益郎

薬学博士/社長

1分も走れないペンギン歩きから、世界7大陸最高峰を目指す70代に。

\ この記事をシェア /

pagetop