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2019年04月11日

エイジングケア

長寿の秘訣は母なる大地

paku_adhklkjlasdfa_TP_V世界3大長寿の地・フンザの農法

「フンザにはがんも心臓病も無い。ところが先進各国は何でこうも病人が多いのだ。」「私はフンザを訪れてから、食生活をアメリカ的でないものに変えた。それ以来、肥満などと縁がなく健康そのものだ。」これは、アメリカ上院栄養問題特別委員会(マクガバン委員会)での、パーシィ議員による言葉です。パキスタン北部の山間地帯にあり、世界3大長寿の地の1つと呼ばれる、フンザ。フンザの食生活はどうして健康的で優れているのでしょうか。

その理由は農業にあります。フンザでは、山の斜面に畑を作る時、深い谷底の川原から土を運び上げて畑土にします。その土は、ヒマラヤ山地のミネラルを十分に溶かしこんだ水により、運ばれたものです。そのような川原の土を用いるため、フンザの畑はミネラルを豊富に含んでいるのです。そして、その畑で出来た作物を食する人たちが長寿であることから、フンザは世界3大長寿の地の1つと呼ばれるようになりました。このような農法の恵みが、食卓へと届き、人々に健康をもたらしているといえます。

 

大地の栄養を吸い上げるキング・アガリクス農場

関連して、ブラジルのキング・アガリクス農場の話をします。そこでは常に森や林を開墾し、新しい畑でアガリクスを露地栽培しています。その結果、下の図のように、栄養素のミネラル含有量が日本産に比べて大きく違います。例えば、セレン(活性酸素を分解する有力酵素の構成成分)は約2倍、銅(赤血球の形成を助ける)は約8倍、カルシウム(骨だけでなく最近では高血圧や動脈硬化にも良いとされる)は約14倍含まれます。

▼アガリクス ミネラル比較図

1904SN会長図-web

これは、アガリクスが地中のミネラルなどを大量に吸い上げるキノコであり、高品質のものを収穫するには、この農法が最適であると栽培農家が理解しているからです。フンザとは農法が違いますが、両者とも、母なる大地の大切さを知っているのです。

一方、日本の農業はどうでしょう?農地に川原の土を入れる農法など聞いたことがありません。耳にするのは、化学肥料や農薬を投入する農法です。それらは土壌中の大切なミネラルを流出させるといいます。結果、日本の畑には、肥料に含まれるリンやカリウムが過剰なところが多く、逆にマンガン、鉄、亜鉛といった微量ミネラルが不足し、土壌が劣化しているといいます。そして昨今、農作物の栄養価が著しく低下していることも指摘されています。

日本でも、有機農法などで作った栄養価の高い農作物が普及して欲しいものです。そのためには私たち消費者の、それらを後押しする消費行動も必要になります。未来の健康な食生活へと繫げていきましょう。

参考文献:『いまの食生活では早死にする』タツの本 今村光一 著

 


 

コラム筆者:元井益郎

薬学博士/薬剤師/NR・サプリメントアドバイザー/日本抗加齢医学会認定指導士。

東京薬科大学薬学部卒業。ジェーピーエス製薬株式会社入社・退社後、サンプライズ株式会社設立。東京大学や慶應義塾大学など、国内の著名な大学機関と抗加齢に関する共同研究を行い、研究結果をもとにサンプライズ製品の開発を行う。

趣味は山登りとマラソン。72歳になるが、自称年齢は54歳。2017年6月、デナリ(マッキンリー)に登頂成功。好きな言葉は、「過去は変えられないが、未来は変えられる」。

元井 益郎

薬学博士/社長

1分も走れないペンギン歩きから、世界7大陸最高峰を目指す70代に。

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