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2018年05月17日

エイジングケア

美白に熱心で、魚をあまり食べない女性は危険?

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今、世界で注目を浴びる機能性成分が2つあります。DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などの「オメガ3」と「ビタミンD」です。米国ではこの10年で最も摂取量が増えています。今回はその中でビタミンDについてご紹介したいと思います。

 

がん、認知症にも関係するビタミンD

今まで日本では、ビタミンDは丈夫な骨をつくる働きを持つものとして有名でしたが、それ以外の重要性はあまり知られていませんでした。

ところが実際は、ビタミンD濃度が低いと股関節骨折だけでなく、がん、認知症のリスクが上がるという報告があります。

スポーツ分野では、ビタミンD値が低いアスリートはパフォーマンスが低いという論文もあり、妊娠した女性にとっては、生まれてくる子供の健康のために欠かせない栄養素でもあります。母体のビタミンD不足は、子供の自閉症関連形質に影響を与えるのです。

反対に、ビタミンDレベルが高い人は白血球のテロメアが長いことが報告されています。テロメアは、染色体の末端粒子で、加齢により短くなっていくことから、寿命に関連していると考えられています。

また、ビタミンD値が上がるごとに、狭心症や心筋梗塞などの心血管疾患リスクが下がることや、ビタミンDの投与で乳がんの進行が遅れる等々、最近の論文で様々な効能が次々と報告されています。

今では、骨の健康維持だけでなく、免疫維持や疾病予防に欠かせない重要な栄養素だというのが世界の常識のようです。

 

日本人は、ほとんどビタミンD不足

米国などにおけるビタミンDの「推奨摂取量」は、1日15μg(※1)とされています。しかし、日本が国

として推奨している食事摂取基準(※2)では、1日5.5μgとされています。これは米国の約3分の1です。

日本骨粗鬆症学会、日本骨代謝学会などは、1日10~20μgを推奨していますが、これは骨粗鬆症の「治療」のための摂取目安量であり、日常的な摂取目安量ということではありません。どうやら日本の食事摂取基準におけるビタミンDの位置づけは低すぎるようです。

それにプラスして、昨今では紫外線リスクが強調されるあまり、太陽光を過度に避けすぎる傾向があります。

ビタミンDは太陽光を浴びると体内で合成されるため、過度に避けてしまうことで、多くの年代の男女がビタミンD不足に陥っています。特に、女性の妊娠期間中のビタミンD濃度の低値は深刻です。

ビタミンD濃度を上げるには、適度に太陽を浴び、積極的にビタミンDを含む食品を摂りましょう。ビタミンDを含む食品には、日光を浴びて育ったキノコや魚があります。特に魚は、ビタミンDだけでなく、冒頭に紹介したオメガ3(DHAやEPA)も多く摂ることができますのでおすすめです。「美白に熱心で、魚をあまり食べない女性」、あなたは要注意です。

※1: 1~70歳において。71歳以上は20μg。

※2:『日本人の食事摂取基準2015年版』より。18歳以上の男女が摂るべき量。

 


 

コラム筆者:元井益郎

薬学博士/薬剤師/NR・サプリメントアドバイザー/日本抗加齢医学会認定指導士。

東京薬科大学薬学部卒業。ジェーピーエス製薬株式会社入社・退社後、サンプライズ株式会社設立。東京大学や慶應義塾大学など、国内の著名な大学機関と抗加齢に関する共同研究を行い、研究結果をもとにサンプライズ製品の開発を行う。

趣味は山登りとマラソン。71歳になるが、自称年齢は53歳。2017年6月、デナリ(マッキンリー)に登頂成功。好きな言葉は、「過去は変えられないが、未来は変えられる」。

元井 益郎

薬学博士/社長

1分も走れないペンギン歩きから、世界7大陸最高峰を目指す70代に。

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