MENU

2022年06月23日

エイジングケア

育毛作用の他にも!慢性の痛みを治すIGF-1

IGF-1効果の新発見

今回は、先日の読売新聞に掲載された記事についてご紹介します。記事によると、慢性の痛みを治す細胞に「IGF-1(*)」が関係しているという論文(九州大学)が、米国の著名な科学誌「Science」に掲載されたそうです。

▼読売新聞記事:2022/4/1

けがや病気が引き金となって長期に渡り続く痛みを「慢性疼痛」といいますが、その原因は、傷や炎症、神経の損傷、脳の神経回路の変化とされています。けがなどが治った後も痛みが続いたり、軽く触れただけでも痛みを感じたりする場合があります。

患者は国内で2000万人以上との推計もあります。しかし、その発症メカニズムは今までよくわかっておらず、著効な鎮痛薬もありませんでした。

それが今回、九州大学の研究チームが、マウスを使った研究で、痛みから自然回復するのに必要な細胞(ミクログリア細胞)を世界で初めて発見したのです。

そしてこのミクログリア細胞が、IGF-1を作り出し、痛みを和らげていることが明らかになりました。

 

まだまだ期待できるIGF-1の力

今回の九州大学の研究成果は、先行してIGF-1の作用に注目していた私としては嬉しい限りです。IGF-1には育毛作用があることが知られていますが、他にも健康面や美容面で様々な効果が期待される物質で、まだ未解明な部分もあります。

今後、IGF-1を多く作り出す化合物を見つけることができれば、慢性疼痛に有効な治療薬の開発が期待できるそうです。

体内のIGF-1を押し上げるものについては、名古屋市立大学の岡嶋研二先生ら(当時)の研究で明らかになっており、大豆イソフラボン(アグリコン型)や唐辛子の成分であるカプサイシン、ブラジル産露地栽培アガリクスKA21などがあります。

逆に、砂糖を使用した甘い食べ物などは、IGF-1を下げることが判明しています。美髪育毛やアンチエイジングに取り組んでいる方は、心に留めておくといいですね。

まだまだ効果が期待できるIGF-1の、今後の研究成果により一層の関心を寄せていきたいです。

皆さんもぜひ、まずは食生活からIGF-1を増やす習慣を身につけることをお勧めします。

* IGF-1:insulin-like growth factor 1(インスリン様成長因子1)

参考資料:国立研究開発法人 日本医療研究開発機構 プレスリリース

元井 益郎

薬学博士/社長

1分も走れないペンギン歩きから、世界7大陸最高峰を目指す70代に。

\ この記事をシェア /

pagetop