2022年03月24日
エイジングケア
薬を飲む前に考えるべきこと
薬剤師、薬を断る
2004年10月、私の人間ドックでの血中コレステロールの検査値は238でした。これは基準値の150~219mg/dlを少し上回る数値です。他の検査項目は基準値の範囲内で正常でした。医師から告げられたのは「貴方はコレステロール値が高いので、下げる薬を出しましょう」という言葉でした。
私は「いや、大丈夫です。」と丁重にお断りしました。医師の表情は驚きそのものでしたが…。私が薬を断った理由をお話しします。一つ目は、薬でコレステロール値は低下すると思いますが、一旦飲み始めると今度は止めるのが不安で難しくなり、薬漬け生活が続くことが予想されるからです。
二つ目は、継続して飲む薬により、腸内の免疫細胞(体内の免疫細胞の約60%を占めると言われる)に悪影響が及び、腸内環境が悪化して免疫力が低下する可能性が大きいからです。
最後の手段が薬
そこで私は、コレステロール値が高いのは自分の食生活や生活習慣に問題があると考え、卵やレバーなどコレステロール値を上げると思われる食品を控えて、適度な運動を定期的に行いました。
その結果は良好です。以後、今日までの18年間、医師から血中コレステロール値の高さを指摘されたことは一度もありません。あの時、安易に薬を飲んでいたらと考えるとゾ~ッとします。
日本では、健康診断などで少し血圧やコレステロール値が高いというだけで、なぜ薬の処方に繋がるのでしょう?これについては、医学や薬学の大学に本格的な栄養学のカリキュラムが少なく、医療を担う医師や薬剤師は栄養学の知識が乏しいためではないかと思います。
そこで日本も医療制度を抜本的に変え、医師に栄養学を本格的に勉強して頂き、「服薬指導」の前に「栄養・食育指導」を行うようにするのが良いと考えます。もちろんその指導にも保険の点数が適用されると良いでしょう。過度の「薬漬け医療」から抜け出し、日本人はさらに健康で元気になるでしょう。
私は薬剤師ですし、決して薬の効用を否定しているわけではありません。いざという時はしっかり薬のお世話になるつもりです。ただ、安易な薬の飲み過ぎは、間違いなく腸内環境を悪化させて免疫力の低下を招くので避けるべきです。
厚生労働省の標語「1に運動、2に食事、しっかり禁煙、最後にクスリ」はまさに大切なことだと思います。まずは薬の前にできることを行うようにしましょう。