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2023年02月24日

エイジングケア

認知症を回避!脳の健康寿命を延ばそう

認知症にならないことが大切

先日、日本の製薬会社のエーザイとアメリカの製薬会社が共同開発したアルツハイマー病の新薬が、FDA(アメリカ食品医薬品局)より、認知症の進行を抑制する治療薬として承認されました。

アルツハイマー病は、脳内に異常なタンパク質(アミロイドβ)が溜まり引き起こされます。

前述の治療薬はレカネマブといい、アミロイドβを減らす効果が示され、承認されたのです。根治するわけではありませんが、今まで進行を遅らせる有効な治療薬が乏しかった中で、画期的な出来事です。

認知症は、かかりたくない病気のトップにあげられています。大半をアルツハイマー病が占めており、恐ろしいことに、40代から症状が始まって静かに進行していき、自覚症状はないといいます。

上述のような治療薬がでてきてはいますが、やはり認知症にならないことが一番大切です。そこで、今回は認知症を回避し、脳の健康寿命を延ばす方法について紹介しましょう。

 

脳の健康寿命を延ばす方法

WHOは2019年、認知症のリスク低減に対して、真っ先に「身体活動(運動)」を強く推奨しています。認知機能と運動には意外にも関係があるのです。

また世界5大医学誌のひとつであるランセットは、2020年、認知症の大きなリスク要因に「難聴などの聴覚障害」、「社会的な交流の不足」をあげています。

さらに米国のデボラ・バーネット博士らの研究では、認知症の予防には、次の7つの危険因子を回避することが大切ということです。①喫煙、②低身体活動(運動不足)、③低教育水準、④中年期高血圧、⑤糖尿病、⑥中年期肥満、⑦うつ。これらを避ける対策を行いましょう。

危険因子である高血圧、糖尿病、肥満に大きく関係するのは、毎日の食事です。公益財団法人・長寿科学振興財団による「健康長寿ネット」でも、認知症の予防には、生活習慣の改善と食事が大切といいます。

食事といえば、オメガ3脂肪酸を含む魚料理、野菜などが豊富な和食がおすすめです。ただし、塩分の摂りすぎには注意しましょう。

低教育水準対策には、読書などで頭(脳)を使いましょう。

最後に、脳に良い活動を動詞であげます。これらはみな、主に頭(脳)を使う行動を伴います。

遊ぶ、歌う、描く、おしゃれをする、飼う、見学する、深呼吸する、推理する、贅沢する、育てる、旅する、注文する、飲み過ぎない、楽観する、料理する、恋愛する、論争する、笑う、など。

以上の中から実行可能なことを積極的に日常生活に取り入れて、習慣化すれば、脳の健康寿命を延ばすことに繋がります。きっといつまでも若々しく過ごせるでしょう。

参考文献:『10歳若返る脳のアンチエイジング』KKベストセラーズ 白澤卓二 著、『ぼけの壁』幻冬舎新書 和田秀樹 著

元井 益郎

薬学博士/社長

1分も走れないペンギン歩きから、世界7大陸最高峰を目指す70代に。

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