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2023年06月29日

エイジングケア

百寿者の生活習慣はどんなもの?

生活習慣で寿命が決まる?

日本は世界でも類を見ない、トップクラスの長寿国です。「百寿者」「センテナリアン」と呼ばれる100歳以上の人口は、2022年の住民基本台帳によれば、前年より4016人増加して9万526人となりました。

今後も益々増え続け、25年には15万4千人、35年には31万9千人、50年には68万4千人に上るとする予測数値もあります。ちなみに現在、女性の割合が圧倒的に多く、全体の89%を占めます。

寿命を決める要因には、遺伝的要因と後天的要因があり、前者は20~25%で、それ以外の75~80%は後者の後天的要因が占めるといわれます。

後天的要因とは、食事や運動などの生活習慣です。百寿者のように寿命を長くするも、逆に短くするも、私たちの心がけ次第ともいえるわけです。

それでは、百寿者の生活習慣はどのようなものなのでしょう?百寿者を30年以上研究している新井康通先生(慶應義塾大学看護医療学部教授・百寿総合研究センター長)らによる、2500人以上の百寿者の調査から、具体的な内容をご紹介しましょう。

 

百寿者の生活習慣の特長

百寿者の方々は、中年の頃から食事は「腹八分目」を心がけている人が多いといいます。

食事の内容については、魚を好んで食べ、魚からタンパク質を摂っている人が多いようです。さらに果物が好きということも挙げられ、皆さんが毎日のように食べているといいます。肥満の人がほとんどいないことや糖尿病の人が少ないことも大きな特長です。

性格的には、社交的でくよくよしない、前向きな方が多いといいます。

これらが新井先生らによる調査研究の大まかな内容です。次に私の視点で詳しくお話しします。

百寿者の特長の一つである「腹八分目」で食事をすることは、長寿遺伝子と呼ばれる体内の遺伝子をを活性化させます。

また魚を食べている人が多いということですが、魚のEPAやDHAは、血液をサラサラにして血中の中性脂肪やコレステロールを減少させる効果があります。

特に青魚にはオメガ3系脂肪酸のEPAやDHAが含まれ、これらを多く摂取する人ほど歩行機能が良いことが確認されました。歩行機能が良いと運動ができ、運動は糖尿病のリスク軽減にもつながります。

さらに果物が好きな方も多いということですが、果物に含まれる抗酸化物質(ファイトケミカル)はアンチエイジング効果が期待できます。例えば、みかんのフラボノイド、ぶどうのアントシアニンなどがあります。

そして、くよくよしない前向きな考え方をしていると、病気の原因となるストレスを溜めることも少ないでしょう。

このように百寿者は、どれをとっても健康長寿につながる理にかなった生活習慣で、素晴らしい生き方をしているといえます。皆さんもイキイキと過ごす未来のために、生活習慣を見直してみてはいかがでしょう。

元井 益郎

薬学博士/社長

1分も走れないペンギン歩きから、世界7大陸最高峰を目指す70代に。

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