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2023年09月28日

エイジングケア

IGF-1を増やしてエイジングケア!

少し古いデータですが、1990年、アメリカの権威ある医科学誌『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン』に掲載された「ヒト成長ホルモン」の効果を示す論文は、その3年後にアメリカ抗加齢医学会を誕生させてしまうほどインパクトがあったといわれます。

ヒト成長ホルモンを6か月間、61~81歳の男性に補充したところ、すべての男性において筋肉が増え、骨が丈夫になり、性的能力が向上し、しかも全員が10~20歳程度も若返ったと報告されています。

このヒト成長ホルモンにより、体のほとんどの細胞(特に筋肉、骨、肝臓、腎臓など)で作られるのが、IGF-1(インスリン様成長因子-1)です。今回はこの物質についてお話しします。

 

エイジングケアに役立つIGF-1

“インスリン様”という名前がつけられたこの物質は、糖代謝に関わるインスリンとは違うものですが、インスリンの作用・働きを助け、長生きするためには非常に重要な物質です。

しかし、IGF-1の血中濃度は13~17歳の思春期をピークに急激に下がり、50歳を過ぎると底値になります。

何らかの方法でIGF-1を増やすことができるならば、ヒト成長ホルモンが底値となった50歳以上の人でも、エイジングケアに役立つことになります。

そして名古屋市立大学の研究チームにより、「カプサイシン(唐辛子の成分)と大豆イソフラボン」の組み合わせが、知覚神経を刺激してIGF-1を増やすということが発見されました。現在この組み合わせをサプリメントに配合することは「特許」となっています。

その後、同大学の研究で、ブラジル露地栽培アガリクスもIGF-1を引き上げることが明らかとなっています。

▲エイジングケアに関わるIGF-1の血中濃度

 

IGF-1を増やす生活が大切

IGF-1を増やすことができれば、生活習慣病の予防・改善、免疫力アップ、生殖機能改善、認知症・うつの予防、肌のたるみ防止・改善、薄毛予防・改善などにつながると言われます。

IGF-1を増やすための方法は色々と明らかになってきていますが、普段の生活では、魚介類や発酵食品などの日本食を食べること、適度な運動や日光浴、ゆったりとした入浴などが推奨されています。

皆さんにもぜひ参考にしていただき、IGF-1を増やすことで、いつまでも若々しく過ごしていただきたいと思います。

参考文献:『百楽』(平成21年3月1日発行)株式会社ケイアイ

元井 益郎

薬学博士/社長

1分も走れないペンギン歩きから、世界7大陸最高峰を目指す70代に。

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