MENU

2025年04月10日

エイジングケア

52才、現役で活躍する秘訣

52才の快挙

今年2月、嬉しいニュースがありました。男子スキージャンプの葛西紀明選手が、国内大会で2週連続優勝を飾りました。葛西選手は1972年6月生まれですから、なんと52歳です。一般の方であれば、多くの方がその年齢までの間に何らかの身体不調を訴えるでしょう。葛西選手は、その大会の優勝インタビューで「強さの秘訣は?」と聞かれ、笑顔で「毎日走っています」と答えていました。

日本には昔から厄年という概念が世間に広く認知されていますが、平均寿命が長く伸びたことをうけ、改めて健康状態の曲がり角を調べて「新厄年」とする考え方が登場しました。75万人というレセプト(診療報酬明細書)の大量データを解析し、いつごろから健康状態に問題が増加してくるかを調べたものです。それによると男性は24歳、37歳、50歳、63歳、女性は25歳、39歳、52歳、63歳が、健康面で注意を払うべき「新厄年」に当たるといいます。

多くの人たちが健康状態における問題増加を経験して苦しむ中、葛西選手には新厄年は無いようです。それどころか、優れた選手が数多く出場する大会で2連続優勝するほどの最強な健康状態の上、見た目も若々しくイキイキとしておられます。

走り、歩き続けてきた人類

どうすれば葛西選手のようになれるのか。その答えがインタビューでの答え、「毎日走っています」の中にあると思います。

わたしたち人類は、約30,000年前のクロマニヨン人の時代から今日までの長い歴史のうち、99.99%以上の期間、「走る・歩く」を続けてきました。それが近年の交通機関の発達により、急激に走らなくなってしまったのです。その結果で生じた「運動不足」が、生活習慣病の大きな原因と言われています。

特に日本人は、1日のうちで座っている時間が平均約7時間もあり、それは世界的に見てもとても長いと言われています(世界20ヶ国の平均座位時間は約5時間)。

何も気を付けずに生活していては深刻な運動不足に陥っており、人間という一つの動物として、とても不自然な状態で生きていると考えるべきでしょう。

葛西選手までは目指さずとも、少しでも走る、もしくは運動をしましょう。走りが苦手なら、まずはウォーキングをする。筋トレをする、テニスやゴルフをする、買い物で歩く、自転車移動を徒歩移動に変える、家事は体を動かしながらする、犬の散歩をする、などなど。継続できそうなことから始めてみましょう。

元井 益郎

薬学博士/社長

1分も走れないペンギン歩きから、世界7大陸最高峰を目指す70代に。

\ この記事をシェア /

pagetop