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2016年01月29日

エイジングケア

サプリメントは、飲まない方がいい!?

160121サプリメント成分表s最近、お客様からこのようなご質問をいただきました。

「ある本を読んだら、サプリメントは飲まない方が良いと書いてあったのですが・・」
「使われている食品添加物に害はないのでしょうか?」

他にもこのような疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんので、今回この場を借りてお話をしたいと思います。
市場では、数多くのサプリメントが売られています。その販売方法も、薬局などの店頭販売から、通販、訪販、海外からの取り寄せなど多種多様です。
サプリメントの大きな特徴は、薬機法(旧薬事法)の制約のある医薬品と違って、製造する工場も販売方法も許認可の制約がないということです。従って、市場は玉石混淆の状態です。残念ながら、性能・品質の面で低レベルな製品も、健康上効用を感じられない製品も多く販売されています。

例えば、私はこのような商品を目にしたことがあります。
有効成分(栄養素)は1%未満、あとの99%は添加物というもの。
栄養素(アミノ酸)の原料として、中国人の人毛が使われているもの。
「○○の秘薬」などと謳っているものの、科学的根拠(エビデンス)は希薄なもの。
有名人を使い大量のTVコマーシャルで販売されているが、飲んでも飲まなくても健康になんら影響はないというもの・・・。

こういったものは、びっくりするような低価格や、高価格で販売されていたりします。一方、数は少ないものの科学的根拠のしっかりした商品もあります。

そこで大切になって来るのが、騙されずに本物を「見抜く目」を持つことです。

そのためには、華やかな広告や飛びつきたくなる体験談よりも、商品パッケージの裏面情報をしっかり読み取るようにしましょう。

①原材料名欄で原材料を確認する
②含まれる栄養素・成分の配合量
③栄養素は天然由来か?化学合成か?
④どのような添加物がどのくらい使用されているか?

これらを把握することが大切です。
少し難しく感じられるでしょうが、そんなことはありません。

当店の商品を具体例として説明しましょう。
表は当店のサプリメント「深眠源」と「ヘアドルーチェ」の原材料名表示と詳細な栄養成分表示です。

SG分析表

HD分析表

まず、①原材料の確認と、②含まれる栄養素・成分の配合量、④添加物の使用量、を見てみましょう。

原材料表示は、配合量の多い順に記載するルールになっています。

「深眠源」は、「アガリクス末[KA21株使用](原産地ブラジル)」のみの記載となっています。このことから、原材料はブラジルのアガリクス100%で、それ以外には添加物を全く使用していないことが分かります。

「ヘアドルーチェ」には、上から順に、アガリクス(KA21菌)、ノコギリヤシエキスパウダー、発酵カルシウム、大豆胚芽抽出物(イソフラボン含有)、唐辛子、抹茶、加工デンプン、結晶セルロース、二酸化ケイ素、ステアリン酸カルシウムとあります。原材料として一番多いのがアガリクス(ちなみに62.5%)で、次がノコギリヤシ、発酵カルシウム・・・と続き、下位に添加物の加工デンプン、結晶セルロース、二酸化ケイ素、ステアリン酸カルシウムとありますので、添加物は少量であることが分かります。

私が他社商品を見ていて驚いたのは、ある「葉酸サプリメント」です。
こちらは、原材料表示が上から順に、乳糖、セルロース、ショ糖脂肪酸エステル、葉酸、となっています。
葉酸が一番下に記載されていて、一錠0.3g(脂質0.007g、炭水化物0.265g、葉酸200μg)です。単位をmgに統一すると、一錠300mg中、葉酸は0.2mgとなりますので、主成分の葉酸は0.067%。残りの99.933%は、主成分以外の添加物なのです。
あなたもこれを見て、驚きませんか?

次に、③合成ものと天然ものの見分け方です。
原材料名欄へ、「ビタミンC」、「ビタミンB1」など、栄養素の名称そのものが書かれている場合は、合成の原料です。一方、野菜や果物など、食べ物の名称が記載されている場合は、天然原料です。

「深眠源」、「ヘアドルーチェ」ともに、アガリクス、ノコギリヤシ、大豆、唐辛子、抹茶などと、天然原料であることがお分かりいただけるかと思います。

ここで、「深眠源」の詳細な栄養成分表示欄をご覧下さい。
原料は「アガリクス」のみですが、これだけ沢山の栄養成分を含んでいます。ビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン、ビタミンD、そして、鉄、亜鉛、マグネシウムなどのミネラル。これらは全て、天然素材であるアガリクス由来の栄養素であることが分かります。

次に「ヘアドルーチェ」です。こちらには、「KA21 アガリクス」に加え、髪のエイジングケアを考えた様々な天然原料が配合されています。
髪以外にも、大豆イソフラボンは、植物性エストロゲンとも言われ、乳がんリスクの軽減や、更年期による不調など女性特有のQOL低下要因(生活の質)を改善する効果も期待されます。
また、抹茶が加えられていることで、ビタミンKも含まれています。ビタミンKは、カルシウム・ビタミンDと一緒に働き、骨の強化にもつながるのです。

ちなみに、科学的裏付けについてご紹介すると、深眠源、ヘアドルーチェの両方へ配合されている「KA21アガリクス(通称キング・アガリクス)」には、以下のような報告がされています。

・髪の増加などを含めたQOL改善効果(※1)、
・自律神経の調節作用・心臓の保護作用・循環器機能改善効果(※2)、
・NK細胞の活性化・抗メタボリック症候群効果(※3)、
・肝臓の保護作用(※4)、
・糖尿抑制効果(※5)など。

これらは、国内の大学研究によるもので、論文として世界へ発信されています。

少し話題がそれましたが、このように、サプリメントを選ぶときには、裏面の原材料表示欄や栄養成分一覧を確認し、その商品の持つ特徴を読み取るようにしましょう。

冒頭の「サプリメントは飲まない方が良いと書いてあったのですが・・・」という質問へ回答させていただくと、こうなります。

サプリメントは、栄養素を日常の食事からバランス良く摂れていれば必要ありません。しかし、以前のコラム「食事でかかる新型栄養失調」で紹介しましたように、日本人の多くが、レトルト食品やインスタント食品などの加工食品を多用(農林水産庁の推計では、私たちの口に入る農作物の8割が、加工・調理されたものになっているそうです)しているので、「ビタミンやミネラルの欠落」という新型栄養失調状態にあると言われます。

このような食事情においては、日常の食生活を補う意味で、サプリメントが必要と考えます。

しかし、市場のサプリメントは玉石混淆。
確かに、飲まない方が良いものも多々あります。そのため、良いサプリメントを見抜く力を持ち、科学的裏付けのあるものを活用するようにしましょう。

また、これは補足ですが、出来るだけ少ない種類のサプリメントで、幅広く活用できるよう吟味することをオススメします。と言いますのも、多種類のサプリメントを大量に飲むことは好ましくないからです。

サプリメントには、添加物が配合されていることが多いため、大量に飲めは、その分添加物も多くなってしまいます。大量の添加物を解毒することで肝蔵に大きな負担がかかったり、配合禁忌(飲み合せが悪いと害になる)の問題もあります。

私自身、サプリメントを開発する立場として、食品添加物についてはもちろん使わないことを理想と考えていますが、それで製品化できるものは極々僅かです。
原料を均一にし、流動性を良くしないとタブレットや顆粒などに出来ないことが多いのです。
私はその場合、少しでも体にプラスになるもの(体に害のないもの)を選んで最少量を使っています。増量剤、着色料、甘味料、香料、保存料などは、使わなくても製品化できるので使いません。

あちらも気になる、こちらも気になるといって、それぞれサプリメントを購入していては、キリがありません。サプリメントは「One for All」、一つの製品で、全てのこと(できるだけ多くの事)をカバーできるようなものを選びましょう。

参考文献:
『サプリメントの正体』東洋経済/田村忠司著
『「食」で医療費は10兆円減らせる』日本政策研究センター/渡邊昌著
『食事でかかる新型栄養失調』三五館/小若順一・国光美佳著

※1) Motoi M, Motoi A, Yamanaka D, Ohno N. Int J Med Mushrooms., 9, 799-817(2015)
※2)Tsubone T, Makimura Y, Hanafusa M,Yamamoto Y, Tsuru Y,Motoi M,
Amano S. J Med Food., 17, 295-301 (2014)
※3)Liu Y, Fukuwatari Y, Okumura K,Takeda K, Ishibashi K, Furukawa M,Ohno N, Mori K, Ming G, Motoi M. e-CAM., 5, 205-219 (2008)
※4)Yamanaka D, Motoi M, Motoi A, Ohno N.BMC complement Altern Med., 14,454- (2014)
※5)Furukawa M,Miura NN,Adachi Y,Motoi M,Ohno N. Int J Med Mushrooms.,8,115-128 (2006)

 

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※番外編コラム筆者紹介
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サンプライズ株式会社
代表取締役社長:元井益郎
薬剤師、NR(栄養情報担当者)、日本抗加齢医学会認定指導士。
1946年生まれ。東京薬科大学薬学部卒業。ジェーピーエス製薬株式会社入社・退社後、サンプライズ株式会社設立。東京大学や慶應義塾大学など、国内の著名な大学機関と抗加齢に関する共同研究を行っている。趣味は山登りとマラソン。

元井 益郎

薬学博士/社長

1分も走れないペンギン歩きから、世界7大陸最高峰を目指す70代に。

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