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2021年08月05日

ヘアケア

新刊『彼女の病巣はなぜ消えたのか?』のご紹介

2021年6月に頭書の本を刊行しました。私が見つけたインスリン様成長因子-1IGF-1を増やす方法を脱毛症治療に応用したところ、これまで難治であった脱毛症が治る以外にも、その他の多くの病気(難病)も改善してくることがわかりました。

この理由は、 IGF-1には、育毛効果の他に多くの健康効果があるからです(下図参照)。

▼図:知覚神経刺激によって増えるIGF-1は、様々な病態を改善する

この本では、IGF-1を増やす治療で、脱毛症に加えて、どのような病気が改善するかを紹介し、知覚神経を刺激してIGF-1を増やす治療が、今後、難病の新しい効果的な治療法になる可能性を述べました。以下に、この本のサマリーを述べます。

 

血液学の研究で、インスリン様成長因子-1増やす方法が偶然見つかった!

もともと私は、育毛の研究は全くしておらず、血液の研究をしていた血液内科の医師でした。血液学の中でも、血栓症の新しい治療法を開発する研究をしていました。

15年間の血液学の研究の結果、痛みや痒みなどを感知する知覚神経を刺激すると、IGF-1が増えることがわかったのです。

この事実の発見は、血液の研究者が、探してもいなかった新たな育毛法を発見したことになります。

このように、探していなかったものが偶然に見つかることをセレンディピティと言い、これが実現するには、注意深い観察に加えて、運と偶然が味方してくれることが必要です。

知覚神経を刺激するカプサイシン、そして知覚神経の働きを高める大豆イソフラボンの組み合わせで、IGF-1が効率よく増えることがわかったのでした。

その後の研究で、露地栽培アガリクスに含まれるβ-グルカンも知覚神経を刺激することが判明し、生薬であるセファランチンという薬も、知覚神経の働きを高めることもわかってきました。

 

知覚神経を刺激してIGF-1を増やすと、難治の脱毛症が治った!

カプサイシンとイソフラボンの投与が、動物で育毛効果を発揮し、難治の円形脱毛症の患者さんでも育毛効果が確認されました。

さらに多くの薄毛の方たちで効果を調べようと、モニターを募集したところ、300人を越す応募があり、結局48人で育毛効果を調べました。

本物のサプリを飲んだ31人では、5ヶ月後に64.5%の人に効果がありましたが、驚いたことに、偽物サプリを飲んだ17人中2人にも、育毛効果が見られました(プラセボ効果)。そしてこの治療で、これまでの皮膚科治療で治らなかった、重症の円形脱毛症も治ることが判明しました。

 

IGF-1を増やすと治るのは、脱毛症だけではなかった!

その後、現在の名古屋Kクリニックを開院して、1,000例以上の脱毛症の患者さんを治療していくと、脱毛症以外の病気も改善することがわかってきました。

 

がんやポリープが消えた;同じ女性で、乳がんの陰影が2度も消えた!

男性型脱毛症を治療していた男性の20代の娘さんが、マンモグラフィー検査で乳がんを疑わせる陰影が確認され、この男性から、乳がんに効く治療法はないかと相談を受けました。

以前、この娘さんの皮膚の難病である掌蹠膿疱症を、私が改善させたので、また相談を持ちかけられたのでした。

前述のIGF-1を増やすセファランチンを飲んでもらうと、その1ヵ月後に陰影が消えて、検査医が学会報告したいと驚いていたそうです。

さらに、その4年後、この娘さんに、再び乳がんを疑わせる陰影が現れました。今度は、セファランチンを前回の倍量、そして、旧ソ連でがんの治療に使用されていた、IGF-1を増やす成分を含むチャガ(カバノアナタケというキノコ)の粉を飲んでもらいました。

すると、その1ヵ月後に、再び陰影が消えました。検査医がまた驚き、信じられないと言って、針を刺して細胞診を行いましたが、やはりがん細胞は検出されませんでした。

また別の、円形脱毛症治療中に乳がんを疑わせる陰影が発現した40代女性は、細胞診で悪性の細胞が検出されました。しかし、円形脱毛症の改善が明らかになった頃、より正確な病理組織診断で良性の腫瘍の診断に変わっていました

また、がんではないのですが、円形脱毛症治療で、それまで3年間、健診で見られていた胃のポリープ2個が消えて、胃カメラで、胃の粘膜がきれいになっていると言われた男性もいました。

IGF-1は、ナチュラルキラー細胞というがん細胞を傷害する免疫細胞を増やします。この免疫力を上げる作用で、これらの患者さんのがんや、その抗炎症作用で、ポリープが消えたのでしょう。

そのほか、ウイルス感染症、月経異常や不妊症、骨折、皮膚の難病、不眠症、偏頭痛、食物アレルギーでも改善が見られました。

 

がんも含む難病の標準的治療は効果的ではない; IGF-1増加治療を、難病の新治療法として提唱!

がんも含めて、難病には、“標準的治療”という判で押したような画一的な治療法があります。これは、70%以上の人が治るという意味での“標準的”ではなく、行われる症例数が最も多いと言う意味なのです。

十分な効果がなくても、治療を行う側は、“赤信号、みんなで渡れば怖くない”の安心感があり、医師は、この治療法の前で、新しい治療法を模索する姿勢を失い、思考停止に陥っています。

このような医師は、“標準的治療”の十分でもないエビデンスを盾にとり、新しい治療法には、エビデンスがないからダメだと言います。

しかし、ある治療法のエビデンスがないと言うことは、その治療法が効かないというエビデンスがない限り、それは効くかどうかわからないというのが、正しい解釈です。

円形脱毛症にも、“標準的治療”なるものがあります。しかし、この治療の中には、これまでお伝えした、IGF-1を減らして脱毛させる痒み止め(拙著薬害脱毛参照)の使用を推薦する項目があるのです。この治療による被害者は後を断ちません。

“知覚神経を刺激すればIGF-1が増える”という事実は、脱毛症のみならず、難病の新たな治療法になる可能性があります。

岡嶋 研二

育毛ドクター

名古屋Kクリニック院長。 IGF-1育毛理論の第一人者。

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