2024年08月08日
ヘアケア
髪は健康のバロメーター
髪は「血」のあまりもの
人の身体は、自分の健康を維持するようにできています。身体の栄養状態が悪化すると、生きていくために重要な内臓や脳を守るため、必要な栄養素はまず内臓や脳に優先的に回されます。
そのため、食事から摂る栄養(特にタンパク質)が不足すると、髪の毛や爪などには栄養が供給されづらくなり、髪の毛が抜けたり薄くなったり、爪はもろくなったりします。
東洋医学でも同様の考え方がされており、髪の毛のことを「血余:けつよ」といいます。血(けつ=血と栄養成分)は人体の生命活動に必要な栄養、余(よ)はそのまま「あまり」を意味します。大切な生命活動に血(けつ)を使い、それが余ってできたものが髪になるという考えで、血(けつ)が不足すると髪の毛が細くなり抜け毛が増えると考えます。
髪をつくる毛母細胞に必要なものは?
このことをより深く理解するために、髪がどうやって生えているのかについても考えてみましょう。
髪が生える仕組みをご説明すると、まず髪の根っこにある「毛母細胞」へ、血流によって多くの栄養成分や酸素などが運ばれます。次にその毛母細胞で新しい毛が作られ、頭皮の外に押し出されていくことで髪の毛が伸びていきます。
しかし髪はずっと伸び続けるわけではなく、この毛母細胞の働きによって、抜けては生えるというサイクルを繰り返します。
これはヘアサイクル(毛周期)と呼ばれ、他の臓器や器官にはない特徴です。髪の毛が作り出され、成長していく「成長期」、細胞の働きが止まっていく「退行期」、細胞が働きを止める「休止期」を経て、抜けていきます(平均して1日に80~100本)。
一方、毛根では毛母細胞が働いて新たな髪が作られ、全体として一定の量を保っています。
冒頭に述べたように、そもそも摂取している栄養素が十分でなく、髪を作る毛母細胞へ回ってくる栄養が不足していると、このヘアサイクルが乱れ、抜け毛・薄毛につながると考えられます。
髪の状態が思わしくない時は、必要な栄養素が全身に十分に回っていないことが考えられ、食事や生活習慣の再チェックが必要です。
反対に、髪の状態が良い時は、全身の隅々に十分な栄養素が行き渡っていると推測できます。このようなことから、「髪は健康のバロメーター」というわけです。
美しく健康的な髪の毛を求めるのであれば、タンパク質を中心とした幅広い栄養素を継続して摂取するようにしましょう。