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2017年09月07日

ヘアケア

育毛物質「IGF-1」を増やす食事のしかた

育毛・美髪効果、アンチエイジング効果、健康効果と、女性に嬉しいパワーを持つ体内物質IGF-1。これまでは、知覚神経を刺激して、IGF-1を増やす食べ物や水などを紹介してきました。今回は、このような食材をどうやって食べれば、最も効率よくIGF-1を増やし、育毛に効果的になるかをご紹介します。

 

温かい状態で食べる

知覚神経は、熱い環境の方が刺激されやすいことが知られています。このことは、辛い唐辛子を食べて口の中が熱くなったり痛くなった時、水や氷で冷やすとその刺激症状を和らげられることからもわかります。

従って、IGF-1を増やす食材も温かい状態で食べると、冷たい状態で食べた時よりも胃の知覚神経を刺激しやすくなり、IGF-1も増えやすくなります。

例えば、唐辛子と豆腐でしたら韓国料理のキムチチゲとして食べる、玄米なら玄米粥、八丁味噌の味噌汁なら冷めないうちに飲むなどの工夫をすれば、IGF-1の増加はさらに促進されるでしょう。

逆に冷たい状態では、たとえ知覚神経を刺激する作用を持っていても、IGF-1を増やす効果は低下します。夏に冷たいものを食べすぎたり、冷たい飲料を飲みすぎると秋口に抜け毛が増えるのは、そのせいかもしれません。

とはいえ、暑い夏には冷たい飲み物が欲しくなりますね。炭酸が入っていれば冷たくても胃の知覚神経を刺激しますので、冷たいビールや炭酸水であればIGF-1を増やすことができます。

 

よく噛んでたべる

唾液には、IGF-1を増やす成分が多く含まれています。唾液中には、IGF-1そのものも含まれており、IGF-1自体にも、知覚神経を刺激してさらにIGF-1の産生を高める作用があります。

他にも、唾液中には上皮成長因子(EGF)や神経成長因子などのIGF-1を増やす物質が含まれています。

南米コロンビアでは、牛に頭をなめさせると毛が生えることが確認されていて、増毛専門の理容牛がいるそうです。牛の唾液は大量に分泌されるのですが、薄毛の男性が牛に頭をなめさせ続けると、5ヶ月後に増毛するといいます。

他にも、唾液にはシアル酸という物質が含まれているため、唾液を呑み込むとシアル酸が胃で知覚神経を刺激し、IGF-1を増やします。

また、唾液腺に炎症が起こって唾液分泌が減少する病気の方には、薄毛の人が多いことも報告されています。

これらの事実から、唾液にはIGF-1を増やす成分が多く含まれており、唾液の分泌を増やすような食べ方は、育毛に効果的であると言えます。

唾液を増やすためには、まずよく噛むことです。一口30回噛めば、唾液分泌が増えるとも言われています。また、硬い食材や酸っぱい味付けのものを食べるのも良いでしょう。食間にガムを噛むことも唾液分泌を増やすので、おすすめです。

 

ゆっくり食べる

多食や肥満はIGF-1の増加を妨げるので、小食にするような工夫が必要です。

前述のように噛む回数を増やしたり、一度食べたら箸をおく、また、人との会話を楽しみながら食べるなど、ゆっくり味わって食べる工夫をすると、唾液の分泌が増えるため、胃腸の知覚神経が刺激されて満腹感が出やすくなります。

したがって、知覚神経を刺激する食べ物をゆっくり食べると、早く満腹感が出て小食で済みます。

会食の時にいろいろな人の食べ方を見ていると、食べるスピードと肥満の程度が逆相関していることに気が付きます。

 

育毛のための食の「3減則」を守る

IGF-1を増やして育毛を促進するために、食べ過ぎないほうが良いものが3つあります。それは、糖(炭水化物)、塩分、そして脂肪です。

この3つの食品成分を減らすことは、育毛のみならず健康にもよいので、これは食による育毛と健康のための3減則と言えます。何故これらの物を食べすぎると、育毛に良くないのでしょうか?

はじめに、糖(炭水化物)について。糖は知覚神経を麻痺させ、IGF-1が増えることを抑制します。例えば、喉がイガイガするときに、のど飴でなくても甘いキャンデイーをなめるとイガイガが治まるのはこのためです。

食事の際、お腹がいっぱいになっていても、甘いものは別腹で食べられてしまうのも、糖によって胃の知覚神経が麻痺するために、満腹感が軽減するからです。

また、糖尿病によって血糖値が高い期間が長くなると、手や足の知覚障害が出るのも、糖が知覚神経を麻痺させることによるものです。

次に塩分です。食塩(NaCl)は、低濃度だと知覚神経を刺激するのですが、高濃度、しかも毎日摂取すると、胃の知覚神経を麻痺させていまいます。

これは、傷口に少しだけ塩をつけると痛みを感じますが、大量の塩を塗りつけると逆にしびれてしまい、痛みを感じなくなることからも分かります。

過剰な塩分を摂取し続けると、これと同じことが胃で起こります。その結果IGF-1が減少して、脱毛が起こります。中でも、ラーメンは1食で1日分の塩分を摂ってしまうので、控えましょう。

最後に脂肪について。成長ホルモンは、IGF-1を増やして人間の成長を促進させます。ところが、高脂肪食を食べると、成長ホルモンが分泌されにくくなることがわかっていますので、脂肪の摂取も控えるべきです。

もちろん、炭水化物や脂肪の摂りすぎは肥満につながり、過剰な脂肪組織からはIGF-1を減少させる物質も作られるので、このような意味からも、脂肪を摂りすぎないことがIGF-1を増やすためには重要です。

せっかくIGF-1を増やす食べ物を食べるなら、今回ご紹介したような食べ方をして、髪を増やしてきれいにしましょう。

次回からは、女性の薄毛のメカニズムやその改善方法についてお話します。

岡嶋 研二

育毛ドクター

名古屋Kクリニック院長。 IGF-1育毛理論の第一人者。

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