2016年03月30日
その他
抜け毛にもエビデンスあり!手前味噌ですが、すごいアガリクスなんです!
先日、東京薬科大学の学位授与式において薬学博士の学位を授与されました。
東京薬科大学は、135年と薬科大学では日本で一番古い歴史を有し、その中で課程外博士は私が347人目とのことです。
薬学博士の学位授与のためには、海外でも認められるレベルの学術論文最低3本をもとに学位論文としてまとめ、大学の厳しい試験で合格する必要があります。
私は、約20年間の研究の集大成として、4本の論文をまとめ、この度正式に学位を授与されるに至りました。
今回は、この研究に関連してご紹介させて頂きます。
この研究は、およそ20年前、アガリクスの飲用で数名の知人が劇的に健康を回復させたことを目の当たりしたことをきっかけに始まりました。私は、奇跡的な力を持つそのアガリクスを生で見たいと、ブラジルの栽培地を訪れました。そこで見たものは、日本とは違う広い大地、強い陽射し、清らかな水。まさに大自然と言える豊かな自然環境の中で、逞しく大きく生育したアガリクスでした。
▲ブラジルの肥沃な大地
▲大きく生育したキング・アガリクス(KA21株)
大きな可能性を感じた私は、その力を科学的に解明したいと思い、帰国後、母校である東京薬科大学を訪れ、第一微生物学教室(現・免疫学教室)と共同研究をスタートさせたのです。
現在では東京大学、慶應義塾大学、麻布大学も加わり、基礎研究からヒト臨床試験まで行っています。研究分野は、免疫、自律神経(ストレス)、アンチエイジング、心臓、肝臓、腎臓の保護作用など多岐にわたります。
アガリクスは、国立健康・栄養研究所のホームページに、「菌株、栽培条件や産地により、その特性や含有成分が異なる。」とある通り、その条件によって特長が大きく異なります。
多くのアガリクスは、ハウス栽培(といっても、皆さんがイメージする自然の光のもとでは育てることが難しく、真っ暗な部屋の中で育てます)なのですが、私が出会った奇跡のアガリクスは、ブラジルの強い陽射しのもとで育つことができる唯一の(2016年3月現在)菌株から育ちます。
このたくましい菌株を、私はキング・アガリクス21(以下、KA21株)と名付けました。
私の研究対象は、このKA21株のアガリクスで、栽培条件は露地栽培、産地はブラジルとなります。論文題目は、「露地栽培アガリクスの機能性に関する研究」です。
栽培条件によってどのような違いが出るかと言うと、菌株は同じKA21でも、太陽光を浴びる露地栽培と真っ暗な環境下のハウス栽培では、主成分と言われるβ-グルカンや、骨、筋肉、免疫分野などで多くの効能を発揮するビタミンDなどの含有量が大きく違ってきます。
産地については、アガリクスは地中のミネラルなどの成分を良いも悪いもごっそりと吸い上げる特徴があるので、ブラジルの肥沃な大地と日本のハウス栽培とでは、図のように様々な栄養成分の含有量が違ってくるのです。
今のところ、主成分や栄養成分の含有量で言えば、ブラジル産・露地栽培のKA21株アガリクスが一番豊富である、と言えるでしょう。
このキノコに関して、東京薬科大学をはじめ、国内有数の大学機関において、その機能や有用性、安全性について科学的に解明する研究を20年間ほど続けてきたわけです。
思ったとおり、安全性のみならず、その機能・有用性について、素晴らしい結果を得ることができました。
ここでその結果を簡単にご紹介させてください。
まず始めに、食品は安全であることが第一条件ですので、①KA21アガリクス は、「細菌、細胞、マウス、ヒト」のいずれにおいても安全性が高いことを明らかにしました。
次に、②KA21アガリクスの持つ、QOL(生活の質)改善効果です。抜け毛の量、白髪の量、疲労感・倦怠感、目の疲れ、肩こり、手足の冷え、日中覚醒困難、目覚めの良さ、のスコアが見事に改善しています。水虫症状に関しても改善傾向が見られました。
更に、③KA21アガリクスの持つ、感染防御機能です。ストレスを受け易い人たちが、KA21アガリクスを摂取すると、(少し専門的になりますが)抗β-グルカン抗体の力価が上昇します。
そして、IgA*(免疫グロブリンA)が最も顕著に増加することを見出しました。
このことはKA21アガリクスを経口摂取することによって、皮膚や粘膜面の感染防御機能を強化している可能性のあることを強く示唆しています。
今でも研究に携わっていただいている、ある先生には、「一つの素材で、ここまで幅広い機能を持つものは珍しい!」と、大変興味を持ってくださっています。
ところで、アガリクスというと、中には悪いイメージをお持ちの方がいらっしゃるかもしれません。
今からちょうど10年前(2006年)、厚生労働省が試験実施中の3製品のうち、中国産アガリクスを原料とした1製品に発がんプロモーション作用があったとして発表しました。
この発表に対し、テレビ、ラジオ、新聞、週刊誌などの多くの報道機関が「アガリクスに発がん作用」「発がん促進作用」など、まるですべてのアガリクスが危険であるかの如くセンセーショナルな報道を行いました。
そのわずか1か月後に、他の2製品については先の発がん作用は認められなかったことが分かりましたが、そのニュースは皆無に近い状態でした。
結果的に、アガリクスは優れた素材にも関わらず風評被害で大きなダメージを受け、市場規模は1/5まで縮小。多くのメーカーや販売業者が倒産や廃業を余儀なくされました。報道の偏り、恐ろしさをこの時ほど強く感じたことはありません。
ところが私達のもとへは、センセーショナルな報道が続く中、あるお客様からこんな切実な声が届いたのです。
「こんな報道をされたら、会社がつぶれてしまうのではないか?私たちはこのアガリクスで健康を維持しているのです。会社がつぶれてしまったら、私たちもアウトです!なんとかこの難局を乗り切ってほしい!」と。
膨らむ風評被害に、わたしの会社も多大な影響を受けていましたが、自己都合でこのアガリクスの研究や販売を簡単に止めるわけにはいかないと、痛感しました。それ以来、そのお客様の声は今でも忘れません!
KA21アガリクスは、今回の私の研究を含め、国内有数の大学機関で研究を行っており、多くの研究成果を英文論文として世界に発表しています。
未病段階(病気になる前の状態)からこのようなエビデンス(科学的裏付け)のある機能性食品を活用して頂き、わが国の超高齢化社会で急騰する医療費の低減化に貢献出来れば更なる喜びと思っております。
KA21アガリクスの研究はこれで終わりでは無く、今後とも継続して行く決意です。『生涯勉強!生涯少しでも社会貢献!』です。
最後になりましたが、薬学博士の学位の取得にあたり、薬学の観点や21世紀のあるべき医療の姿から懇切なるご教授、ご指導を賜りました東京薬科大学・免疫学教室の大野尚仁教授ならびに同教室の皆様に心より感謝申し上げます。
尚、私の学位論文は、2016年6月頃より、同大学の研究活動・博士の学位論文で全文閲覧可能です。(2016年3月末現在は準備中)
*IgA:免疫グロブリン全体の約15%を占め、消化管や気道などの粘膜や唾液中に存在し、ウィルスや細菌の感染を予防するように働く。
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※番外編コラム筆者紹介
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サンプライズ株式会社
代表取締役社長:元井益郎
薬学博士、薬剤師、NR(栄養情報担当者)、日本抗加齢医学会認定指導士。
1946年生まれ。東京薬科大学薬学部卒業。ジェーピーエス製薬株式会社入社・退社後、サンプライズ株式会社設立。東京大学や慶應義塾大学など、国内の著名な大学機関と抗加齢に関する共同研究を行っている。趣味は山登りとマラソン。