2016年07月29日
その他
原料の産地と、安全性管理について
今、スーパーの野菜売り場に行くと、「この野菜は○○県△△町の●●さんが栽培したものです。」などの表示があります。詳細な産地が判り、生産者の顔が見えるので安心感を覚えますね。これは、商品の購入に際し必要な情報だと思います。
ヘアドルーチェをはじめ、当店のサプリメントに使われているキング・アガリクスの産地はブラジル・マンチケーラ地方です。そして、農場主のパウリーニョをはじめとするマンチケーラの人たちが丹精をこめて栽培しています。
今回はこのブラジルの農場、生産者と、安全性・品質確認における当店の体制についてご紹介したいと思います。
今年は、ブラジル・リオデジャネイロでオリンピックが開催されます。
日本のテレビでは、リオ警察のストライキなど治安の悪さが頻繁に報道されています。
そんな中、先日、ブラジルにあるキング・アガリクスの農場を訪問して参りました。ブラジル訪問は三十数回目になります。現在の農場は、サンパウロ国際空港から北東に車で4~5時間移動した海抜約1300mのマンチケーラ山地・コリーナ村にあります。
▲マンチケーラの肥沃な大地
以前の農場は、同じ国際空港から1時間ほどのスザーノ地方にありました。ところが、ブラジルでサッカーのワールドカップ、リオのオリンピックと大きなイベントが続いたため、それに伴う土地の再開発で締め出された住民が、空気や水の綺麗な農場の上手の丘に住むようになったのです。その結果、あっと言う間に大きなスラム街と化しました。勿論、下水道などは整備されていないので不衛生極まりなく、急遽農場移転を余儀なくされたのです。
現在のマンチケーラ農場は、幹線道路から約30分山間に入ったところにあり、住民250人ほどの村に隣接しています。深い緑、清らかな空気、時に強い陽射し、更に農場内ではマスの養殖も行われるほど綺麗な水が流れています。また、驚いたことに、各家庭の玄関にはどこにも鍵がありません。泥棒や犯罪がないからです。日本に流れている、「治安が心配なブラジル」といった印象のニュースとは正反対です。農場の働き手は20~30歳代の若者が中心で、実に良く働きます。若者の働き手がいない日本の農家や農場では考えられません。
▲農場の若い働き手たち
3年前、農場移転に際し私がマンチケーラを訪れたとき、農場主のパウリーニョが、ミーティングの最後に話した言葉が印象的でした。「私は40歳半ばだが、今日、生まれて初めて外国人(私)と会話をした。凄く緊張したが、新しい仕事(キング・アガリクスの露地栽培)を、ぜひ、一生懸命やりたい!」
そう、農場主のパウリーニョをはじめマンチケーラの人たちは、明治時代の農家の人たちのように純真、純朴なのです。そんな人たちが、キング・アガリクスを栽培しています。
▲パウリーニョと私
▲私たちが、心をこめてキング・アガリクスを栽培しています。
次に、安全性・品質確認の体制についてご紹介します。
農場移転をするとなると、多くの点を早急にチェックしなければなりません。なぜなら、アガリクスは、菌株、栽培条件、産地により含有成分や特性が異なってくるからです。今回は菌株、栽培条件は変わりませんが、産地が変わります。マンチケーラで収穫されたアガリクスの成分、そして安全性はどうなのでしょうか?
分析のチェックポイントは、六大栄養成分(エネルギー、たんぱく質、脂質、糖質、食物繊維、食塩相当量)、ビタミン類(VA、VB1、VB2、VB6、VB12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン、VC、VD、VE、VK1)、ミネラル類(カルシウム、鉄、カリウム、リン、マグネシウム、亜鉛、銅、マンガン、ヨウ素、セレン、クロム)、18種類のアミノ酸、そして、主成分のβ–グルカン。さらに、有害金属(水銀、鉛、カドミウム、ヒ素)、残留農薬(400種類)、細菌類、放射能検査など多岐にわたります。
果たして、その結果は?・・・予想通りすべてクリアでした。これで安心してヘアドルーチェをはじめとする製品の原料として使えることになります。
もちろんこの検査は、製品化した後にも行っています。安全・安心な製品をお届けすることに、一切手を抜きたくないからです。手前味噌ですが、ここまでやっているサプリメントメーカーは、今の日本では本当に少ないと思います。
ちなみに、菌株、栽培条件、産地などで、アガリクスがどのように違ってくるのか、何点か比較してみましょう。
1)同じKA21菌株(キング・アガリクスの菌株)での、栽培方法による違い(ハウス栽培と露地栽培)
▲ハウス栽培のアガリクスに比べ、自然露地栽培のキング・アガリクスは大きく逞しく育ちます。
2)日本産・ハウス栽培アガリクス(他の菌株)とマンチケーラ産・自然露地栽培アガリクス(KA21菌株)の比較
▲含有される栄養素が全然違います。
このように、同じアガリクスと言っても菌株、栽培条件や産地によって含有成分は大きく違ってくるのです。
例えば、皆さんも、日本の水はカルシウムの少ない軟水であることはご存知と思いますが、他のミネラル類もこのように総じて少ないのが実態です。
それとは対照的に、以前のスザーノ農場も、新しいマンチケーラ農場も、大変肥沃な大地です。アガリクスは地中の成分を吸い上げる特徴があるので、肥沃な大地で育ったアガリクスからは有用なミネラル類などが多く検出され、逆に汚染された土地で育ったアガリクスからは有害物質が検出されます。だから、農場の自然環境ごとに、詳細な成分分析が必要になってきます。
ところで、アガリクスには、(一部の皆さんはご記憶があるかと思いますが)悲しい歴史があります。それは10年前のことですが、中国産のアガリクスを原料とした1社の製品がクレームを抱え、その1製品の検査結果のみで、他社の製品も全て危険として、大々的にマスコミ報道され、甚大な風評被害を受けました。マーケットサイズは1/5まで縮小し、多くの関連会社が廃業や倒産に追い込まれました。
キング・アガリクスの取り扱いを始めた当初より、上記にご紹介したような万全の体制で安全性確認や成分分析を行っていた私としては、非常に心外でしたが、大打撃をもらった後も、キング・アガリクスを求めてくださるお客様のために、諦めずにコツコツと続けてきました。
安全性確認はもちろん、キング・アガリクスの持つ機能・有用性を明確にすべく、20年以上、国内有数の大学と共同研究を続け、今では総数24本の英文論文を世界に向けて発信しています。
ブラジルの肥沃な大地で、純真・純朴な生産者によって心を込めて栽培され、安全性の確認もしっかり取れているキング・アガリクス製品を、今後とも是非ご愛用頂ければ幸いです。
また、私の学位論文:「露地栽培アガリクスの機能性に関する研究」が東京薬科大学より公表されました。簡単に言うと、キング・アガリクスが、生活の質(QOL)を改善すること、および、免疫力を高めることが認められた論文になります。詳細については、「東京薬科大学 学位論文 元井益郎」を検索してみてください。
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※番外編コラム筆者紹介
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サンプライズ株式会社
代表取締役社長:元井益郎
薬学博士、薬剤師、NR(栄養情報担当者)、日本抗加齢医学会認定指導士。
1946年生まれ。東京薬科大学薬学部卒業。ジェーピーエス製薬株式会社入社・退社後、サンプライズ株式会社設立。東京大学や慶應義塾大学など、国内の著名な大学機関と抗加齢に関する共同研究を行っている。趣味は山登りとマラソン。今年で70歳になるが、自称年齢は52歳。年間に4回ほどフルマラソンへ出場し、4時間以内に完走することもある。登山では世界7大陸の最高峰を制覇することを目標とし、既に4つを登頂成功。来年はデナリ(マッキンリー)に挑戦する予定。トキメクような目標をモチベーションに、アンチエイジングを体現している。好きな言葉は、「過去は変えられないが、未来は変えられる」。